インデックスタイプのETFのメリット
日本銀行が金融緩和の目的で購入を続けるETFは株式投資信託の1つのタイプですが、不動産投資家にも関連のあるETFの1形態であるリート-ETFと、J-リートを考えてみます。
そもそもETFは、英語の頭文字を合わせて作られた略語で、一般的には上場投資信託と和訳されています。
これは、日経平均株価等に代表される指数に連動した運用をするインデックスと言われる運用方法で、指標対象の投資商品をパッケージして投資する商品です。
様々な銘柄がパッケージされているため損失リスクが低い商品といえます。
つまり、1銘柄へ投資すれば、倒産等により投資額がなくなってしまう危険もあります。
その一方、ETFであれば、採用銘柄の1社が倒産しても全体への影響は限定的なのです。
ETFが注目されるのは、同種商品の投資信託と比較して、信託報酬が安価に済むことが指摘できます。
運用会社が管理する投資信託と違い、ETFは市場で売買され販売会社に払うのは売買手数料と位置付けられます。
売買手数料は各社の競争のため安価に引き下げられており、結果的に投資信託で必要な信託報酬を下回っているのです。
さらにETFの売買は株式同様市場で行うため、投資信託の解約で発生するタイムラグがなく、即時に売却金額が確定します。
不動産に関連するリート-ETF
東証リート指数は、国内のリートすべての価格を対象として算出された指数です。
ETFの1類型に位置づけられるリート-ETFは、リート指数に応じて変動するようリートが組み入れられたETFを指します。
東証で扱いのあるリート-ETFは国内のリート以外にも外国のリート指数に連動するよう組まれた商品もあります。
次にリート-ETFとJ-リートの相互のメリットを比べてみます。
J-リートと比べたリート-ETFのメリット
株式に連動するETFと同様、リート-ETF最大のメリットは、低い投資リスクです。
J-リートも、複数の所有不動産からの収益を分配するシステムなので、リスクは分散されるといわれますが、リート-ETFはさらに複数のJ-リートをパッケージすることで、評価がゼロとなるようなリスクは皆無と言ってよいでしょう。
実際に過去には破綻をしたJ-リートもあり、リスクはゼロとは言い切れないので、リート-ETFは安全とされます。
リート-ETFと比べたJ-リートのメリット
東証リート指数に動きを合わせるリート-ETFは、バランスが取れてはいるのですが、独自性のないという見方も可能です。
J-リートをさらに分散投資するため、商品ごとの性格も同じで、利回りも3パーセント以下にとどまります。
その反面、J-リートはそれぞれ個別に、商業施設主体タイプ・ヘルスケア主体タイプ・マンション主体タイプなどの個性を持っており、保有物件タイプも運営方針も個性があります。
それぞれのJ-リートの性格を把握して、リスクを避けながら高利回りを狙うことも可能です。