やたらと海外投資を勧めるコンサルタントに注意
それまで金融や不動産の業界に長く勤めてきたわけではない素人が新たに不動産投資を始めようとするとき、多くは専門のコンサルタントに相談に行くことと思います。
現在コンサルタント業は企業・個人問わず非常に人気の職種となっており、中には1ヶ月100万円近くの高額コンサルタント料を請求する「カリスマコンサルタント」もいるほどです。
数年前に学歴詐称によって芸能界を追われたショーンKさんも自称コンサルタントでしたが、巧みな話術とルックスにすっかり騙されてしまっていたという人も多いのではないでしょうか。
誤解を恐れずに言うならば、コンサルタント業というのは非常に実績が曖昧な仕事であり、本当に誠実で優秀なコンサルタントであるかの判断は初めて投資をするような素人に到底見抜けるものではありません。
そんなコンサルタントの実情を踏まえた上で注意してもらいたいのが「海外での不動産投資」についてです。
不動産コンサルタントの中には平気で「今は日本の不動産は値上がりする気配がない。買うなら東南アジアの経済発展途上国の土地だ」というようなことを勧めてくる場合があります。
確かにニュースなどを見るとそうした国々の都心部の土地が急騰しているという話はよく聞きますし、データでわずかの機関に数倍にもなっている地価を見せられると、今しかチャンスがないように思えてしまいます。
ですがそうしたうまみのある儲け話というのは一般向けに勧められるようになっている時点で既にピークは過ぎており、これから買わされる不動産というのは既に十分に儲けた別の人からババ抜きのように押し付けられる物件である可能性が高いのです。
海外不動産投資に潜むリスク
仮にコンサルタントが良心的な人であり、勧められるのも優良物件であるとしましょう。
しかし海外にある土地というのは実際にそこがどのようなところかということをわざわざ確かめに行く人は少なく、その土地建物にどんなリスクがあるかを直接確認することはできません。
日本にいると法律上の制限や建築技術が整っているのでつい感覚が麻痺してしまいますが、海外においては銀行や建築会社は決して安定した仕事をしているわけではなく、突然に倒産や廃業をしてしまうこともあります。
高額の建築費を出費したのにいい加減な工事をして逃げられることもあるかもしれませんし、出資していた銀行が潰れてまるごと資産がなくなったということもありえます。
さらに海外の土地購入には現地通過を使用しますので、物件が値上がりをしたとしても為替の変動により十分な利益にならないこともありえます。
現地通貨を日本円に換算するときには銀行の手数料もかかってきますので、利ざやがそのまま利益にならないということにも注意が必要です。