現在流行中の賃貸併用住宅の実態
不動産投資をしたいけれどもできるだけリスクはとりたくないという人向けに、ここ近年急激に人気が高まってきているのが賃貸併用住宅です。
賃貸併用住宅とは、自宅として建築する建物の一部をあらかじめ賃貸物件用に設計しておくというもので、自宅と投資用物件を別々に管理しなくてもよいというところにメリットがあります。
自宅と賃貸物件を併用させるといってもその方法は様々で、「3階建てのうち1階部分が複数の賃貸で、2~3階が自宅」や「1階をオフィス、2階を賃貸住宅、3階が自宅」といったようにニーズに応じて様々な形態の建築をしていくことができます。
大手住宅メーカーでは賃貸併用住宅を専用に扱っている業者も見られており、具体的なプランのない人に対しても、これから建築をしようとする地域のニーズに合わせた併用住宅を提案してくれるようになっています。
賃貸併用住宅の最大のメリットは、新築住宅に家族で入居できるとともにそのローン返済を家賃収入によって補うことができるということです。
また同じ建物内に投資用物件と自己所有物件を併設することにより、固定資産税を減らす効果も得られます。
空き室などの投資物件リスクは同じ
一見非常に便利そうに思える賃貸併用住宅ですが、実際には全ての物件が順調に運営をしていくことができているわけではありません。
賃貸併用住宅の最初のリスクとなるのは住宅ローン契約です。
通常は住宅ローンとアパートローンは別物として扱われており、その物件をどのように扱うかによって審査基準が異なってきます。
投資目的のアパートローンの場合には契約時に事業計画書やキャッシュフロー計算書の提出を求められることとなっており、ある程度の収益が見込まれる場合に融資を受けることができます。
しかし自分で所有する物件の場合には、審査基準は本業として行っている会社からの収入をもとにローン額が算定されることになるので、収入状況によっては高額の建築費の全てをローン対象にすることができなかったり、月々の返済額を低い水準に抑えられてしまうことがあります。
また、賃貸併用住宅であっても住民同士のトラブルや空き室が生じるリスクは他の賃貸住宅と全く変わりはありません。
賃貸住宅を運営していく中で、突然に入居者全員が退去してしまうという状況は十分に起こりますし、その場合は家賃収入なしでローン返済を持ち出しで行わなくてはならなくなります。
自宅で生活をしているにもかかわらず、賃貸部分の管理については管理業者に丸投げしているというようなオーナーさんも多く、入居者からの希望にすぐ対処できないということもよくあります。
他人である入居者が同じ敷地内にいるという心理的圧迫感もありますのでよく考えて選ぶようにしてください。